「ルフィ」と呼ばれる人物が指示役として関わった疑いが持たれている東京都稲城市の強盗致傷事件で、逮捕された容疑者の一部が「事前に身分を伝えているのでやめられなかった」と供述していることが、警視庁への取材でわかった。容疑者の多くはSNS上の「闇バイト」に応募していたが、その際に運転免許証などの提示も求められていたという。
捜査1課によると、逮捕されたのは北海道、宮城、栃木、埼玉、東京、愛知、大阪に住む23~37歳の男7人。昨年10月に稲城市の住宅に押し入り、現金約3500万円や金塊など約140点(計約860万円相当)を奪った疑いなどが持たれている。
同課の調べで、7人の多くがSNS上の闇バイトの求人に応じ、その後の連絡については匿名性が高い通信アプリ「テレグラム」を使うよう求められていたことが判明。その際に自身の顔と運転免許証をセットで撮影して闇バイトの運営側に送るよう指示されていたという。
7人のうち一部の容疑者は調べに対し、「事前に身分や家族構成を伝えてしまっているので後になって辞めたくなっても家族や職場に危害を加えられるので辞められなくなる」と説明。また、闇バイトを実行した後に自宅まで知らない男が尋ねてきたことがあったことから、「組織から監視されているかもしれないと思い、家族の安全を考えて辞められなくなった」とも話しているという。
事件をめぐっては、「ルフィ」と名乗る人物がフィリピンから指示した疑いがあるとみられている。逮捕された7人のうち3人は山口県岩国市(昨年11月)、2人は東京都中野区や広島市西区(昨年12月)の強盗事件に関わった疑いもあるとみて、警視庁や各県警が調べている。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル